実家マンションの生前贈与による名義変更手続きを司法書士に頼まず自分でやってみた

両親が地方で戸建てを購入し隠居生活を開始して早数年。築40年の実家マンションは息子である僕が暮らしています。今回諸事情により、マンションを生前贈与という形で父親から譲り受けることに。そこでマンション登記の名義を父親から長男である自分へ変更する法務手続きを司法書士に依頼せず、自力でやってみました。

不動産の名義変更手続きは自分でできるのか?

本来であれば司法書士にお願いすれば滞りなくやってくれるのですが、最低でも8万円ほどの手数料が必要になります。この8万円を高いと思ってしまった僕は、どうにか自分でできないかと法務局へ相談に。すると法務局には相談窓口が用意されていて、ここで必要な提出書類の書き方をすべて教えてくれるということを知りました。
今回僕が行った手続きを覚書としてこちらに記そうと思います。

名義変更手続き前に確認しておかなくてはならないこと

贈与による名義変更手続きをする前に確認しておかなくてはならないことがいくつかありました。

● 登録免許税がかかる
手続きするにあたって法務局に支払う手数料です。書類提出時に収入印紙を購入して支払います。固定資産税評価額の2%が請求されます。 例)1000万円の場合は20万円

● 贈与税がかかる
固定資産税評価額に対しての贈与税が請求されます。これは個人の事情によって様々なので確認が必要です。
今回は「相続時精算課税」を選択しました。

● 不動産取得税がかかる
その名の通り不動産を取得したことによって発生する税金。地方税であり都道府県から請求されます。

● 固定資産税がかかる
年度毎に評価額の1.4%が請求されます。春先に届いてため息が出るアレです。

● 一度名義変更すると取り消しはできない
「変更したが予想以上の贈与税が発生したので取消したい」等は一切受け入れられないようなので注意が必要です。

不動産の名義変更手続きに必要なもの

手続きに必要なものを予め揃えておいます。贈与者である父親は地方に住んでいるので郵送してもらい、手続きは僕が一人で行いました。

受贈者(不動産をもらう方)
・住民票or戸籍の附票
・印鑑(認印でも可)
・本人確認できるもの

贈与者(不動産をあげる方)
・登記済権利証
・実印
・印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
・納税通知書or固定資産評価証明書(登記申請日時点の年度のもの)
・本人確認できるもの

現金(登録免許税を支払ための収入印紙代)

手続きの流れ

事前に必要な書類を揃えて法務局の相談窓口に予約
管轄によって違うとは思いますが、当日予約ができない相談窓口が多いようです。稀に空いている場合は予約無しでも対応してくれるようですが、前日予約しておいた方がよいでしょう。

1. 必要な書類に記入
申請書類は相談窓口の職員さんが用意してくれます。記入方法も説明してくれます。書類の作成は原則本人がしなくてはならないのですが、親切に説明していただけたので難しいことはありませんでした。

2. 登録免許税を支払う
評価額を基に職員さんが計算のやり方を教えてくれます。こちらも原則本人が計算し、相当額の収入印紙を購入します。そのため予め現金を用意しておく必要があります。

3. 受付に提出
購入した収入印紙を申請書類に貼付けて提出すればこの日の作業は終了です。受付で完了日を確認しましょう。

4. おおよそ2週間で手続き完了
不備なく進めば約2週間で名義変更は完了します。
僕の場合は登録免許税の計算が間違っていたらしく提出の3日後に「収入印紙が100円分不足している」との連絡が…。会社近くの郵便局で購入し郵送しました。
問題なく完了したら再び法務局へ行き、権利証と名義変更証明を受取ります。

まとめ

法務局の相談窓口はとても親切に手順を教えてくれるので、案外簡単に自分で手続きができました。ただ窓口で教えてくれるのは手続きのやり方や書類の書き方など事務的なことのみです。相続や贈与に関して「するべきか?しないべきか?」などの根本的な相談には一切答えてくれません。そういった助言が欲しい方は司法書士や税理士に依頼したほうが良いのかもしれません。
また今回自分で手続してみて思ったことは「税金が予想以上に高い!」ということ。生前贈与は、相続の5倍の登録免許税がかかるのには驚きました。

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